高齢の親に運転免許を返納して欲しい、でもどうやって説得して良いかわからないという悩みはありませんか?
高齢の親が運転を続けることは、安全上の懸念があり家族にとって深刻な問題です。
しかし、親を説得して免許を返納させることは容易ではありません。この記事では、実際に父を説得して免許返納を決意させた7ヶ月の経験談から、運転免許の自主返納を成功させる効果的な方法について紹介します。先に体験談を知りたい方は「免許返納までの道のり」をご覧ください。
この記事を読むと、親を説得する際に役立つポイントがわかり、免許返納を成功させることで親の安全が手に入ります。
成功法則1:親を説得する際にやること・やってはいけないことを理解する
親を説得する際にやること・やってはいけないことは以下のとおりです。
親を説得する際にやること
家族で協力する
親の説得は、初めからスムーズにいくことは稀です。寄り添いながら根気強くすすめる必要があるため、家族で協力しそれぞれの役割を決めると効果的です。
親の気持ちに共感する
親が運転免許を返納することに抵抗を感じるのは、自分は大丈夫という自尊心や車移動による便利さや自由さが関係しています。親の気持ちに共感し理解することが重要です。
選択肢を提案する
親が自分の判断で免許返納を決意できることが重要。強制的に免許を返納させるのは絶対NGです。
免許証を隠したり、車を勝手に売却することは絶対ダメ
親自身が決められるよう選択肢を提案しましょう。
実際に効果的だった選択肢を紹介します。
選択肢を2つにする。①免許返納 ②今の車を売却して車のサブスクで安全装置が備わった車を利用。2つの選択肢のどちらにするか親に選択してもらう。
選択肢を提案することで、親が自らの意思で行動する機会を与えることができます。
親を説得する際にやってはいけないこと
誰か一人に任せる
親に免許返納を説得する際は一人に任せず、家族で協力するのが鉄則です。家族、兄弟と目的を共有して、役割を決めてすすめると孤独にならずうまくいきます。
我が家では私が悪役(はっきり言う)、兄が優しくフォローする役でした
プライドを傷つけるような言い方をする
高齢になったとしても親は親。プライドを傷つけるような言い方は絶対NGです。
無理に説得する
親は子から指図や命令されると抵抗します。無理に説得することは絶対NG。寄り添うことが重要です。
成功法則2:運転免許を返納するメリット・デメリットを理解する
免許返納自体がゴールではありません。免許返納のメリットとデメリットを理解してから、親に免許返納するよう説得しましょう。
免許返納のメリット
- 交通事故の心配がなくなる
- (車も処分すれば)維持費(自動車税や車検、ガソリン代、駐車場代)がかからなくなる
- 生前整理になる
免許返納も目的は、車の運転をしないことで交通安全の心配がなくなり、親が安全に暮らせることです。車を維持するための費用も不要になるため、家計にも優しくなります。
免許返納のデメリット
- 不便になる
- 車の運転が好きだった場合、生きがいがなくなる
- タクシー代や電車、バス代などがかかる
成功法則3:説得方法は5W1H
親に免許返納を説得する際、5W1Hで進めます。詳細を解説していきます。
When(いつ):運転が危ないと感じたら
運転免許は、70歳から高齢者講習の受講が必須になります。75歳以上になると認知機能検査が行われ、認知症と診断された場合には、運転免許の取消しなど行政処分となるため、74歳くらいで返納する人が多いです。参照データ:警察庁|運転免許統計
適正年齢は人によって様々なので、あくまでも目安です。高齢になって運転が危ないと感じたら返納する時期です。
Where(どこで):実家で話す
高齢の親本人が返納を決意するのは難しいので、家族が返納について切り出すことになります。
離れて暮らしている場合は、帰省などのタイミングで実家で直接会って話すのがオススメです。電話だと相手の顔が見えないので揉めることが多いです。一度で決めようと思わず親の気持ちに寄り添いながら納得するまで向き合う必要があります。頭ごなしに命令は絶対NGです、
Who(だれが):家族で協力
高齢の親本人が返納を決意するのは難しいので、家族や親戚になります。免許返納は親にとって大きな決断。一人に押し付けず家族で協力して進め、役割を明確にするとうまくいきます。
What(なにを):メリットとリスク
免許返納の真の目的は、親が安全で安心に生活できるように運転を終了し、免許を返納することです。そのためには親が理解して免許返納を選択できるようにする必要があります。
説得する際に話す内容は以下のとおりです。
- 事故の現状(悲惨さ)を伝える
- 車の維持にかかる年間コストを算出しメリットを伝える
- 車が利用できなくなった時の代案を示す
Why(なぜ):高齢になると運転の危険性が増す
親に免許返納を説得する理由は、高齢になると認知能力が低下し、自動車事故の危険性が増すためです。運転歴が長くなればなるほど、自分は大丈夫、と思い親が自分から免許返納を決意することが難しくなります。
How(どのように):選択肢を提示して選んでもらう
免許返納を説得する際には、一方的に命令、強制は絶対NG。オプションを提示して、親が自分の意思で選択することが大事です。
自分は大丈夫!と思っている親に免許返納を説得するのは至難の業。
難航する場合、サブスクで安全装置付きの車に一旦変えてみて安全を確保しながらゆっくり免許返納を説得することも一案。車のサブスクは成功法則4:説得のコツ(車のサブスク)で詳しく解説しています。
成功法則4:説得のコツ(オススメワード・NGワード、車のサブスク)
オススメワードとNGワード
免許返納を説得する際のオススメワードとNGワードを紹介します。
親に免許返納を説得していると、親が高齢になり決断力や判断力がなくなりショックを受けることがあります。その感情は怒りに変わりイライラしてしまうことがありますが、そういう感情が出てきたら手放していくことが重要です。
感情的になって怒ってしまうのはNGです。
決断できない場合は、安全装置がついた車のサブスクを提案
運転免許書の自主返納は、一筋縄ではいきません。難航する場合、サブスクで安全装置付きの車に一旦変えてみて安全を確保しながらゆっくり免許返納を説得することも一案。
会社によって契約期間や車種・オプションなどが異なります。
免許返納が思うように進まず長期戦になる場合は、安全装置がついた車のサブスクに変えて安全性を確保するのが一案です。
トヨタの「KINTO」は最短契約期間が3年。途中解約ができるプランがあるのでオススメです!
今ある車を売却し、最新の安全装置のオプションをつけた新車を途中解約可能な「解約金フリープラン」にすれば毎月定額で利用が可能。
契約期間を3年にして、その間に説得し免許返納を決意させ、KINTOの契約を終了させること。免許返納を決めかねている親を焦らせずに、安全レベルがアップした状態で説得ができます。
成功法則5:手厚くフォローする
親に免許返納を説得して、一度で成功するのは稀。長期間かかると想定し、親と良好な関係を築くよう心がける必要があります。免許返納に成功した場合もしなかった場合も、手厚いフォローが重要です。
免許返納に成功した場合
免許返納は大きな決断です。
高齢になると新しい環境に身を置くことや変化することが億劫になったり、不安に感じたりします。そのような親の状況を理解して重大な決断を賞賛しましょう
また、地方は公共交通機関が整っていないため、車を手放した後の移動手段や生活スタイルについて、親が快適に過ごせるような方法を提案し、寄り添うことが必要です。
免許返納がうまくいかなかった場合
免許返納が一度でうまくいくことは稀です。
納得して免許返納するには時間がかかると割り切りましょう。そのため親との関係は日々良好に保つことが重要です。親が運転をやめる決断ができなくても、否定するような言葉や態度は絶対にNGです。
実体験:親の運転免許自主返納までの道のり
運転が生活の一部になっていた父
実家は地方で近くのバス停には一日数本のバスしか止まらず、車を手放すと主な移動手段はタクシーという状況。
父は運転好きで年に数回、片道6時間の道のりを一人で運転し生まれ故郷に行っていました。父が80歳を超えた頃、「長距離運転は疲れるし、危ないのでやめて欲しい」とお願いしましたが、「自分は大丈夫」と聞く耳を全く持たない状況でした。
家族が免許返納を意識したタイミング
父が85歳の大晦日、家族でスーパーへ買い物に行った時のことです。駐車場で車から降りている途中、前に進んだためドアが隣に止まっていた車にぶつかり、傷つけてしまいました。
幸い車の持ち主の方が優しい方だったため大事にはなりませでしたが、駐車したのになんで動いたの?と聞いても父は何が起こったか把握しておらず、父の高齢化を目の当たりに。
その後、自宅の車庫でドアや後部をこすって傷をつけてしまったり、標識に気づかず一方通行を侵入してしまったり、ドキッとすることが増えてきたため、運転はやめてもらおう!と決意しました。
兄に協力を要請
高齢の父に免許を返納するよう説得開始。父にとって運転は生活の一部、車は体の一部。一筋縄ではムリなことが大いに予想されるため、兄に相談し協力を依頼しました。
免許返納はハードルが高すぎるため、選択肢を提示することに。父が乗っている車(TOYOTAクラウン2500 cc、安全装置なし)は高齢者には安全性に問題があるため、可能な限り早く手放すことを提案。
そこで安全装置付きのコンパクトカーをカーサブスクで利用する選択肢を提示しました。
トヨタのKINTOなら新車に好みのオプションをつけ、3年までサブスクで利用が可能。高齢の親には3年契約で途中解約可のプランがオススメ!
選択肢を提示:免許返納と車のサブスク(KINTOがオススメ)
免許返納を親に説得させるのは容易ではありません。今回、2つの選択肢を提示しました。
今の車を手放し、安全装置付きの車のサブスク(KINTO)を利用する
選択肢を提示した1週間後の1月下旬、兄から電話があり「お父さんが、免許更新したけど車は売るつもりだと言っている」と。
なぜ???
意味不明だったので父に確認すると全く売る気はない様子。
高齢者の事故が増えていること、今まで築いてきた幸せな人生が事故によって一瞬でなくなること、父への尊敬と感謝と愛情を伝えること1時間。
父が「5月末まで車に乗る、6月に免許返納する」と。5月まで4ヶ月あるので心配は消えないけれど、ひとまず安心。
- 契約期間が短い(最短3年)
- 解約金フリープランがあるため、いつでも解約できる
- 安全装置のオプションが豊富
揺れる気持ち・変わる決断
免許返納は人生の中で大きな決心。しかも高齢になると物事を決めることが難しくなります。
一度は免許返納を決断したはずの父でしたが、期限が近づくと気持ちが揺れて決断できず。再度選択をせまり、期限はその週の日曜日に。
「期限を1ヶ月延長し6月末までで車の運転をやめる」とのこと。でも免許は返納しない、車を手放す日も決められない、決断が難しく長期戦を覚悟することに。
押してばかりはNG!たまには引いてみる
免許返納や車を手放すことは父にとっては難しい、車が好きだから取り上げてしまうとショックで認知症になってしまうかも……強く言うのをやめてみました。
父に「一旦、KINTOのカーサブスクを利用して安全装置付きの車に変えて、これからのことを考えてみる?」と少し引いて様子を見ることに。
翌朝、KINTOの話を聞くためにTOYOTAに行った父から電話があり、「プラン作ってもらったから内容確認してくれ」と。担当者と話し、オプションなどを確認し見積もりを出してもらいました。
いつも家でゆっくりしていた父の行動力にビックリ!
父が選んだKINTOのプランは以下のとおり。
クラウンの買取額をTOYOTAの担当者に聞くと、15年で走行距離18万km、自損事故でへこんでる箇所が複数あるということで買取額は5万円とのこと。交渉の結果、10万円になりました。
5万円はさすがに安すぎる……TOYOTAと取引のある買取業者が10万円で買い取ってくれることに。
KINTOの見積もりと買取査定額を父に伝えて、少し見守ることにしました。
父が車の売却を決意
免許返納や車を手放すことは父にとっては難しい、車が好きだから取り上げてしまうとショックで認知症になってしまうかも……
父が車の売却をどうするか、決断するのを待つこと1週間。父から「車は手放す。新しい車にも乗らない」と!
またいつものように決断が揺るかも、と恐る恐る決断した理由を聞いてみると「(みんなが)車を乗るのは危ないっていうからそうかもなぁと思った」とのこと。
決断できた父を誇りに思い、諦めなくて良かったとしみじみ思いました。
父の気持ちが変わらないうちに、TOYOTAに車を売却することを連絡し、10日後に自宅に車をとりに来てもらうことに。親の負担を最小限にするために、TOYOTAに売却手続きを委任しました。(必要な物:印鑑証明と実印)
車の売却額を高くすることより、親に負担をかけず手間なく迅速に手続きすることが大事
気持ちが変わらないようにするために、手続きは迅速かつ簡単に!
運転卒業:免許返納、「運転経歴証明書」で新しい生活をスタート
車を手放したので物理的に運転はできなくなったものの、運転免許を返納しないといざとなれば運転できるという気持ちが残ります。
運転免許は潔く返納し、「運転経歴証明書」を発行してもらうことがオススメです。
- 場所:警察署もしくは運転免許センター
- 必要な物:運転免許証、写真、手数料(1,100円)
参考:警視庁 運転免許本部 免許管理第一係 (✴︎手続き時間などは自治体の警察署ホームページを事前にチェックすることをオススメします)
免許返納は本人が自主的に、ということは稀、しかも免許返納後は車の運転ができないので、家族が付きそうことをオススメします。
父の免許返納を提案し、母と私と息子が付き添いました。運転免許センターで手続きをすると、父に運転卒業証書が贈られました。
運転免許証を返納と同時に運転経歴証明書を交付してもらうと、支援や特典が受けられます。
「運転経歴証明書」の提示でタクシーや公共機関の料金が割引になるので、お得感を味わうのも⭕️
親の免許返納は協力・寄り添い・選択肢の提示が効果的
高齢の親の免許返納は簡単ではありません。親にとって人生最大とも言える一大決心です。家族や親戚が寄り添い気持ちに共感しながら、不安を取り除くお手伝いをして納得して決断できるようにすることが重要です。
親が納得して決心するには、選択肢を提示して自分で選んでもらうことが大事。一旦、安全装置付きの車に変え、様子を見ながら免許返納を決意させる、というのも一案です。
実際、親の免許返納を取り組みましたが、一筋縄では行きませんでした。しかし、愛と情熱を持って諦めず、急がず取り組みベストな決断ができるようサポートすることがとても重要だと実感しました。私と同じような悩みを持つ方を応援しています。
親が高齢になると親がこの先を安全に快適に過ごせるよう整えてあげることが重要になります。実際にゴミ屋敷になりそうな親の実家の片付けにも取り組みました。ご興味がある方は【完全ガイド】私が実践した最高の方法で実体験とともに詳しく解説しています。
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